AKIRAで垣間見える戦後ヤンキー感

2021年10月13日

日常的に行われているドラッグや暴力

AKIRAだけではないけどどうも1950年前後に生まれた人たちの作品はヤンキーっぽい。全体的に悪いボディタッチが多い。作品内でどつく、叩く、胸ぐらをつかむは当たり前でちょっと気に入らないことがあると手が出たり、ケンカになる印象がある。

このAKIRAも他の作品に比べたらマイルドだけど例外ではない。仲間だろうがちょっとしたことで言い争いをするし、子供の素行と口が悪すぎる。誰彼かまわず手が出るし口が悪い。そしてコップや飲み物がこぼれるシーンやそれ自体が壊されるシーンが多い。サイバーパンクの世界を描いているが未来の東京がどんなに荒れ果てててもこんな感じにはならないと思った。そういうのが世代だと言われればそれまでだけどそういうことが周りで行われてた時代に生まれたんだろうと推測する。

評価されてる点を邪推する

戦いの描き方がドラゴンボールみたいな感じだなと思った。端的に言ってしまえば能力バトルみたいなもんなんだけど人に対しても粗暴で言葉も乱暴なのでジャンプ的なヤンキー丸出しでそれはそれで面白かった。最初からある程度能力があってそれを行使しながら戦っていきますよ、みたいな文脈だし。

いい点を挙げれば、金田の会話の流れとかかっこいい。デコスケ野郎の下りは鉄雄と金田の関係性を出しつつ、闘いの始まり部分としてとてもよかった。映像的にも好きな部分は多い。バイクそのものとかテールランプの表現とかかっこいい。サイバーパンク的な東京を表す建物や風景を描写しているのは好きだった。そういうところが評価されているのは今の時代の人間でもわかると思う。

繰り返しになるが作品を通してのヤンキー臭さは感じた。自分たちのグループを害する人間とは戦う。礼儀がなってない人間は仲間であろうとも分からせる。だけど仲間が困ってたら助ける。だから金田が飄々としつつ自分だけでは処理できない問題、コントロールできない問題に対して自分から飛び込んでいくのはそういうところなんだろうなと感じてみていた。そういうストーリーが合う人と合わない人がいるよねと言う話。

誰かが映画として描くべきは暴力とセックスだと言っていた気がする。多分、押井守だったような。現代になるにつれてそれが比喩や隠されて表現されるようになる。サイバーパンクの中にその暴力的部分を入れて1988年時点で表現として映像、音楽、ストーリーとして完成させ2021年時点でも面白いと思えるのがAKIRAの凄さだと思った。もっと映像に詳しい人間が見れば驚きは多いと感じる。