田中はゆるくいきたい

未来のAIは「心」を定義できるのか?Vivy Fluorite Eye’s Songの感想

カルチャー

 

アニメVivyを見た。最近のアニメはあまり見なかったのでなんか新鮮だった 。僕はアニメを見る時映像の評価はあまりしないんだけど(映像の評価は映像が分かる人がするべきだと思うから)クオリティは高かったと思う 。全体的にクオリティは高く特に映像と音楽が良かった。あとは現代文的な、文脈的な思ったことを書く 。ゴリゴリネタバレするので見てない人はアレしてくれ。

AIと人間の関係性

AIと人間の戦争を回避するというのが主人公Vivyの目標になるのだがそこではAIと人間の関係性をめぐって様々な問題に巻き込まれる。この世界ではAIと結婚しようとする科学者やAIに関連する法案を通そうとする政治家とかいる。こんな感じでAIと関係する人間たちを出すことによって立体的にその世界の社会を見せるのはうまいなぁって感じだった。そこら辺を見せることによってAIをよく思ってない団体や人間のエゴとか見えるので面白い。

AIの自殺

この世界ではひとつのAIに一つの使命が存在する。例えば主人公のVivyであれば「歌でみんなを幸せにする」だ。しかし、そんなAIたちも自傷行為や自殺することが作品上で描写されている。自殺につながるのはその使命が果たされなかった時だと推測できる。正史でオフィーリアが自殺したのはオフィーリアが使命を果たせなったからだと考えられる。それと同じようにVivyは歌でみんなを幸せにすることが使命で自傷行為をしたのは目の前で博士が自殺したからだ。Vivyの場合「みんな」の中に目の前の人間が含まれていたのであろう。使命がどれくらいの範囲の人間を含むのか、どれくらいの期間で達成すればいいのかは分からないがそれが個々の裁量や演算結果なのだろうか。

AIにとって心とは

この作品で面白いなと思うところがVivyが人間でも解明できない(現在の科学者が定義できていない)「心」を定義しているという場面。Vivyは心は思い出や記憶だと言い切る。思い出が増えるたびに心を込めて歌うことができそれを見るお客さんが増えていく。悲しい記憶があるから悲しい歌を心を込めて歌うことができる、うれしい記憶があるから喜びの歌を歌うことができる。それらすべての記憶がVivyを形作る欠けてはいけないもの。ここまでくると普通の人間と遜色がない。現代の人間でも答えが出せない問題をこの作品のVivyは出しているところが一番面白い。